リアルタイム翻訳ツール比較:Wordly・Interprefy・KUDO・Otter.ai・Microsoft Translator・Avoce の選び方

「リアルタイム翻訳」で検索すると、Wordly、Interprefy、KUDO、Otter.ai、Microsoft Translator、それに Meet・Zoom・Teams 内蔵の翻訳字幕と、たくさんの名前が出てきます。実はこれらは同じ種類の製品ではありません。イベント主催者向けの年間ライセンスもあれば、人間の通訳者のプラットフォーム、文字起こし専用のものもあります。この記事では6つのツールの公開料金・言語・向いている場面を並べました。情報は各社の公式ページに基づき、確認日は2026年9月8日です。
結論から:ツールは4種類、それぞれ向いている相手が違う
| ツール | 種類 | 料金体系(公式ページ) | 向いている相手 |
|---|---|---|---|
| Wordly | AI リアルタイム翻訳、イベント向け | 年間の時間制サブスクリプション。Starter は10時間で約 US$1,500 から | 年に何度も大規模イベントを開く組織 |
| Interprefy | 遠隔の人間通訳+AI 音声翻訳+字幕 | 見積もり制。時間・言語数・参加人数で算出 | 人間の通訳が必要な格式の高い国際会議 |
| KUDO | 人間の通訳(200言語)+KUDO AI(70以上) | Marketplace/都度払い/年間50時間から。単価は非公開 | 社内の多言語会議、行政・教育機関 |
| Otter.ai | AI 文字起こしと議事メモ | 無料版あり。Pro は US$8.33、Business は US$19.99(1ユーザー/月、年払い) | 英語など6言語の文字起こしが欲しく、翻訳は不要な人 |
| Microsoft Translator | 無料アプリ、複数端末での会話翻訳 | 無料 | 2〜3人が対面で、スマホを交互に使って話す場面 |
| Meet/Zoom/Teams/Webex 内蔵 | プラットフォーム付属の翻訳字幕 | 有料プランやアドオンライセンスに紐づく | 会社がすでに該当プランを持っているオンライン会議 |
| Avoce | ブラウザのリアルタイム翻訳字幕(マイクまたはタブ音声) | 分単位のポイント制。US$4.99/60ポイントから、1ポイント=1分 | 講演・教会・ツアー・オンライン会議・動画視聴。使った分だけ支払い |

Wordly:イベント主催者向けの年間ライセンス
Wordly はイベントに軸足を置いた AI リアルタイム翻訳プラットフォームです。主催者が1年分の時間を購入し、複数のイベントに割り振って使います。Zoom・Teams・Meet・Webex との統合、用語集、文字起こしの翻訳を備えています。公式料金ページには Starter プランが「約 US$1,500 から」で10時間込み、上は500時間超のエンタープライズプランまでとあり、換算すると1時間あたり約 US$150 です。年に十数回イベントを開き、一括購入したい協会・企業・教会ネットワークに向いています。年に1〜2回なら、10時間の下限は使い切れないことが多いでしょう。
Interprefy:人間の通訳も AI も、見積もり制
Interprefy は3つのサービスを提供します。人間の通訳者による遠隔同時通訳、AI 音声翻訳、リアルタイム字幕で、オンライン・ハイブリッド・対面のいずれのイベントにも対応します。料金は非公開で、公式には時間・言語数・参加人数・サービス種別ごとに個別見積もりとされ、頻繁に開催する顧客は年間の時間パックを購入でき、多く買うほど1時間あたりが安くなります。人間の通訳が品質の上限であり、AI は補助という、格式が高くリスクの大きい国際会議に向いています。
KUDO:通訳者マーケットプレイスと AI 翻訳
KUDO には2つの面があります。1つはセルフサービスで予約できる人間の通訳者マーケットプレイスで、自称200の音声言語・手話をカバー。もう1つは KUDO AI 音声翻訳で、70以上の言語に対応し、「字幕のみ」と「音声+字幕」の2モードがあります。プランは Marketplace(サブスクリプション不要)、単発イベントの都度払い、年間プラン(50時間から)で、公式ページに単価はなく営業への問い合わせが必要です。顧客層は社内会議、研修、行政、医療機関に寄っています。
Otter.ai:文字起こしは強いが、翻訳ではない
「リアルタイム翻訳」で検索すると Otter も出てきますが、その中心は会議の文字起こしと AI メモです。公式料金ページには Basic(無料)、Pro が1ユーザー月額 US$8.33、Business が US$19.99(年払い)とあり、文字起こし対応言語は英語・スペイン語・フランス語・ドイツ語・日本語・中国語の6つ。ある言語の音声を別の言語へリアルタイムに翻訳する機能は料金ページに載っていません。英語会議の英語文字起こしが欲しいなら適任ですが、「英語を聞いて日本語で読む」ためのツールではありません。
Microsoft Translator:無料、対面の少人数向け
Microsoft Translator は無料アプリで、特徴は複数端末での会話です。1人が部屋を開き、他の人がスマホアプリやブラウザから参加して、それぞれ自分の言語で話し、自分の言語で翻訳を読みます。2〜3人が対面で、スマホを交互に使って話す場面に向いています。1人の話者が会場全体に向けて話す場面や、オンライン会議のタブ音声を扱うようには設計されておらず、用語集や SRT 書き出しといったイベント向け機能もありません。
会議プラットフォーム内蔵:まず該当プランがあるか確認
Google Meet、Zoom、Microsoft Teams、Webex はいずれも翻訳字幕を備えていますが、すべて特定のプランやアドオンに紐づいています。Meet は Business Standard 以上などのエディション、Zoom は主催者が Business Plus/Enterprise か翻訳字幕アドオンを持つこと、Teams は開催者が Teams Premium か Microsoft 365 Copilot を持つこと、Webex は主催者が Real-time Translation アドオンを購入していることが条件です。会社がすでに持っているなら内蔵が一番手軽です。持っていない、あるいは自分は参加者で主催者が対応してくれない場合は、自分側で動くツールが必要になります。各プラットフォームの条件と手順はガイドにまとめています:
Avoce の位置づけ:使った分だけ、マイクもタブも
Avoce はブラウザで動き、入口は2つです。対面の場面ではマイク(講演・教会・ツアー。聴衆は QR コードを読み取り、自分のスマホで自分の言語を読む)、オンラインの場面では Chrome 拡張機能でタブ音声を取り込みます(Meet、Zoom ウェブ版、Teams、Webex、YouTube、ライブ配信)。料金は分単位のポイント制で、US$4.99/60ポイント、US$10.99/180ポイント、US$34.99/600ポイント。1ポイント=リアルタイム翻訳1分、文字起こしのみのモードなら1ポイント=4分。ポイントに有効期限はなく、新規アカウントには20分の無料枠があります。1時間の会議は180ポイントのパックで約 US$3.7、90分の講演で約 US$5.5。用語集、txt/Markdown/SRT への文字起こし書き出し、14言語の相互翻訳、元言語の自動検出を備えています。
できないことも明確にしておきます。Avoce に人間の通訳者はいないので、格式の高い外交・法律の場面は Interprefy や KUDO のようなプラットフォームへ。議事メモのツールでもないので、要約やタスク抽出が欲しいなら Otter のような製品のほうが合います。
選び方:5つの質問
- 欲しいのは翻訳?それとも文字起こし?元の言語の文字起こしだけなら Otter.ai でも Avoce の文字起こしモードでも可。「A 言語を聞いて B 言語で読む」なら Otter は候補から外れます。
- 年間の利用時間は?50時間を超え、イベントが多く、一括購入したいなら Wordly や KUDO の年間プラン。利用が散発的・不確定なら、分単位ポイント制の Avoce に下限はありません。
- 人間の通訳は必要?必要なら Interprefy か KUDO のマーケットプレイス。AI で十分なら、それ以外はどれも候補です。
- オンライン?それとも対面?オンライン会議ならまずプラットフォーム内蔵の字幕が自分のプランで使えるか確認し、使えなければ自分側でタブ音声を取り込めるツールを。講演・教会・ツアーなら、聴衆に QR コードを配って各自の言語で読めるものが必要です。
- 人名や専門用語は多い?登壇者名、製品名、宗教・医療の用語が多い場面では、用語集のあるツール(Wordly、Avoce)を。
まず試してから決めたい?Avoce の新規アカウントには20分の無料枠があり、カード登録は不要です。avoce.ai/live を開いてマイクに一言話すか、拡張機能を入れて外国語の動画を開けば効果が分かります。